私とプロレス 長井義将さんの場合「第2回 『書泉制定プロレス本大賞』誕生秘話」 | ジャスト日本のプロレス考察日誌

ジャスト日本のプロレス考察日誌

プロレスやエンタメ関係の記事を執筆しているライターのブログ

 

 ジャスト日本です。

 

有名無名問わず、さまざまな分野から私、ジャスト日本が「この人の話を聞きたい」と強く思う個人的に気になるプロレス好きの方に、プロレスをテーマに色々とお聞きするインタビュー企画「私とプロレス」。

 

 

 

 

 今回のゲストは、東京にある「雑誌・書籍の聖地」書泉グランデ / ブックタワーにおいて格闘技(統括)担当をしている長井義将さんです。

 

 
 
(画像は本人提供です) 

 

長井 義将(ながい よしまさ)

1992年2月17日、兵庫県生まれ。2018年に株式会社書泉に入社。書泉ブックタワーのプロレス(格闘技)担当となる。2020年には『書泉制定 プロレス本大賞』を企画し好評を得る。2023年9月からは書泉グランデ、書泉ブックタワーの両店舗のプロレス(格闘技)担当を兼任。書籍の刊行記念企画を中心に両店舗にてイベントの企画運営を行っている。

X(旧Twitter):書泉_プロレス(@shosen_prowres)

 

 

(書泉グループ)

書泉グランデ

〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-3-2

TEL:03-3295-0011(代表)

FAX:03-3295-0019    

神保町・書泉グランデB1F プロレス&格闘技コーナー 

 

書泉ブックタワー

〒101-0025 東京都千代田区神田佐久間町1-11-1

TEL:03-5296-0051(代表)

FAX:03-5296-0059

秋葉原・書泉ブックタワー 4F プロレス&格闘技コーナー

 

 

(インフォメーション)

「書泉」が本気で作ったカレーです!

「神田カレーグランプリ2023」×「北斗の拳」コラボカレー販売中!

 

8月1日から神田界隈で開催されている「神田カレーグランプリ」に、今回は、今年40周年を迎える「北斗の拳」とのコラボ企画の一環として、書泉では36チャンバース・オブ・スパイス(渋谷区)と共同開発した「ケンシロウ愛のビーフカレー(ビーフビンダルーカレー)辛口」及び「ラオウ悔いなしチキンカレー(バターチキンカレー)中辛」(各税込950円)を連載開始記念日の北斗の拳の日にあたる9月13日から販売しております。

カレーのスパイシーな「熱さ」と「北斗の拳」の作品の「熱さ」、そして神田の街を盛り上げたいという「熱さ」が組み合わさり奇跡のコラボカレーが誕生しました!

他にも「コラボキービジュアル入り ステンレスマグカップ」(税込1,650円)を始めとした各種グッズも販売中です。

書泉グランデ、書泉ブックタワー、書泉オンライン、芳林堂書店高田馬場店、芳林堂書店みずほ台店でお買い求めできます。

書店が本気で作ったカレーです。是非とも皆さま、この「熱さ」を体感して下さい。

 

 

 

 

 

(画像は本人提供です) 

 

 

 

 

書泉さんといえば、かなりマニアックなジャンルの本を多数販売している「雑誌・書籍の聖地」で、プロレス本もめちゃくちゃ豊富で、また数多くのイベントも手掛けているので、プロレス界にとって本当にありがたい存在です。

 

「私、プロレスの味方です」と言わんばかりの活動をされてきた書泉さんにおいて、グランデさんとブックタワーさん双方でプロレスや格闘技を統括している長井さんは、プロレスや格闘技部門における書泉の番人なのです!

 

 

 
今回はそんな長井さんのプロレス話をお聞きしました。
 
 
是非ご覧ください!




 
 
私とプロレス 長井義将さんの場合「第2回 『書泉制定プロレス本大賞』誕生秘話」
 




『書泉制定プロレス本大賞』が誕生した理由

──長井さんが書泉に入社されたのはいつ頃ですか?
 
長井さん 6~7年くらい前ですね。 最初はバイトで入りまして、レジ業務や接客を担当してました。入ってから2年後にプロレス担当になりまして、そこから『書泉制定プロレス 本大賞』を2020年に立ち上げました。

──ちなみに『書泉制定プロレス本大賞』はどのような経緯から誕生したのですか?

長井さん 上司から「新しい企画を考えてほしい」と言われまして、プロレス担当になって人脈もでき始めて、色々な経験を積みまして、「じゃあ、何をするのか」ということですよ。プロレス界の大きなイベントでパッと思い浮かんだのが『東京スポーツ制定プロレス大 賞』だったんです。


──確かに『東京スポーツ制定プロレス大 賞』は毎年恒例の風物詩になってますね。

長井さん はい。本屋業界には『本屋大賞』(2004年にNPO法人・本屋大賞実行委員会が運営。新刊を取り扱う書店員の投票でノミネート作品と受賞作が決まる文学賞)があるじゃないですか。ならば、『プロレス大賞』と『本屋大賞』を組み合わせればいい。それで生まれたのが『書泉制定プロレス本大賞』だったんです。


──これは名案だと思います。『書泉制定プロレス本大賞』はプロレス本を手掛ける皆さんからすると、目標を設定していただき、モチベーションを上げてくれたような気がして、本当に感謝しかないですよ。受賞者のコメントとか掲載されたり、イベントもあったり、プロレス本の価値を高めてくれたと思います。

長井さん ありがとうございます!



──この『書泉制定プロレス本大賞』は2020年の第1回が『引きこもりでポンコツだった私が女子プロレスのアイコンになるまで』(岩谷麻優 著/ 彩図社発行)、2021年の第2回が『グレート・ムタ伝』(武藤敬司 著/ 辰巳出版 発行)、2022年の第3回が『白の聖典』(中野たむ 著 / 彩図社)がMVP(最優秀プロレス本大賞)を獲得しています。

長井さん 3回のうち2回は彩図社さん、編集者のGさんがMVPを取っていて、ワニブックスの編集者さんから「また彩図社さんじゃないですか」と言われましたよ(笑)。

──彩図社さんとGさんは今のところ、ミスター『プロレス本大賞』ですよ(笑)。私も2冊出させていただきましたので、いつもお世話になっていますよ。

長井さん ひとつお聞きしてよろしいですか?ジャストさんにとって、Gさんはどんな編集者ですか?


──Gさんはやりやすいですよ。

長井さん 書き手から見て、やりやすい編集者とやりにくい編集者はいるのですか?

──私は運がよくて素晴らしい編集者さんに恵まれていますけど、Gさんは一番やりやすい編集者です。こっちが望んでいることを一旦、受け入れてくれるんですよ。そのうえで、うまい具合に最終的にはGさんが導きたい方向にこっちが導かれているような感じがして、相手を自然と納得させて作品の最良の方向に誘導する。それはGさんが思い描いている正解で、しかもちゃんと書き手により沿っている人だから、こっちも乗り気になっているんです。そんな編集者は私が出会った限りはGさんだけでした。


長井さん そうなんですね!それは興味深いですね。

──彩図社さんはエッジの効いたプロレス本が多くて、読者に刺さっているような気がしますね。あと著者に優しいのが彩図社さんですね。去年、書泉さんで著書『プロレス喧嘩マッチ伝説』のサイン本を置かせていただいて、私が東京遠征の際に書泉さんにGさんと営業の方と訪問して、控室でサインを書かせていただきましたよね(笑)。


長井さん あのサイン本、お陰様であっと言う間に売り切れましたよ。
 
 
 

「趣味の本屋」書泉がプロレスに力を入れる理由


──ありがたい話です!では次の話題に移りますが、書泉で実際に働いてみてどのような職場でしたか?

長井さん 書泉って普通の書店とは違いますよね。本当に「趣味の本屋」と謳っているだけあって、いい意味でスタッフも変わってる人が多いですね(笑)。僕もプロレス・格闘技担当として自由にやらせてもらってます。あと最近は社長が変わったんですけど、その社長が「もう新しいことをどんどんやっていけ」という方針なので、新しいことにどんどんチャレンジできる自由な環境で働いていますよ。


──素晴らしいです!あと今年、安納サオリ選手の写真集イベントがあったじゃないですか。長井さんがかなり気合が入っていたという話を小耳に挟みましたよ(笑)。

長井さん 一日がかりでやりまして、相当な数が売れましたよ。安納さんの ファンへの対応がものすごく丁寧でした。安納さんのイベントはアイドル本担当の責任者が主となって動いたイベントで、僕は担当者に「絶対に一日会場を押さえた方がいいですよ」と言って開催した 即売会イベントでした。



──実際に安納さんの写真集はかなり売れましたよね。

長井さん そうですよ。書泉のアイドル本ランキングでも上位に入りましたから。

──書泉さんは割とプロレスに力を入れている印象があるのですが、なぜプロレスに力をいれているのでしょうか?

長井さん これは話を聞くと、元々プロレス好きの担当者がいらっしゃったみたいで、それでプロレスコーナーがあったという理由なんですけど、その方が辞めた後も、たまたまプロレス好きの店員が入ってきて、そこからプロレス担当の人間が途切れることなく、僕に繋がっていったんですよ。

──数珠繋ぎみたいですね!

長井さん 本当にたまたまですよ(笑)。


思い出のイベント

 
 
──たまたまがずっと繋がっているのが凄いですね!では長井さんがこれまで関わってきたプロレス関係のイベントやキャンペーンの中で思い出に残っているものはありますか?


長井さん 一番印象に残っているのはアントニオ猪木さんが2022年に亡くなられて、追悼企画をカメラマンの原悦生さんをゲストに呼んでやらせてもらったんですよ。僕ともうひとりプロレス担当者が神保町と秋葉原にいて、猪木さんの訃報を聞いて、「どうする?うちで何かやる?」と話し合いがあって、「書泉が亡くなった猪木さんを使って、金儲けをしていると取られてしまうのはどう なのだろうか」と考えると大々的にやるべきではないのかもしれないという話がチラッと出たんですよ。


──確かに猪木さんの死を商売道具にするというのはどうの なのだろうとお考えになるのはよく分かります。

長井さん 実は猪木さんが亡くなる少し前にうちは社長が変わって新体制になってたんですよ。その社長が「書泉はプロレスに力を入れてる書店と謳ってるんだから。猪木さんを追悼する企画をうちがやらないとダメだよ。ファンの方は書泉が猪木さんの追悼企画をやったことを金儲けとは考えないよ。書泉が猪木さん追悼企画をやることに意味があるのだから」と言われて、追悼企画を後押ししてくれたのが大きかったですね。


──素晴らしいです!

長井さん 少し前に原悦生さんが『猪木』(辰巳出版)という本を出されていて、刊行記念イベントを書泉でやったことがあったので、辰巳出版さんに繋いでいただいて原悦生さんにご連絡しまして、写真展やトークショーをやらせていただきました。あと神保町の店舗に「ありがどう、燃える闘魂」という垂れ幕があるんですけど、これは社長の発案でした。猪木さんの追悼企画をやり終わったときに「やってよかった」と実感しました。


──猪木さん追悼企画に反響はいかがでしたか?

長井さん 書泉で展示した猪木さんの写真を見て、猪木さんを思い出していた方が結構いらっしゃったようです。「子供の時に見ていた猪木さんはこんな感じだったよな」「猪木さん、この選手と試合をしていたな」とか。結構、いい方面の反響が多かったです。


長井さんが語る木村光一さんの新刊『格闘家 アントニオ猪木』
 


──恐らくファンの皆さんも猪木さんを追悼できる場がなかったんですよ。猪木さんのお別れの会は2023年3月で、猪木さんの追悼興行を謳っていたIGFの両国国技館大会(2022.12.28)と新日本の東京ドーム大会(2023.1.4)は年末年始でしたので、それまでは猪木さんを弔うことができない中で書泉が猪木さん追悼企画をやったことで大きな反響もあったのではないでしょうか。

長井さん ありがとうございます。結構急ピッチで仕上げたので、準備は本当に大変でした。準備期間があまりない中で開催した猪木さん追悼企画だったので、達成感が凄かったですよ。

──ちなみに猪木さんといえば、木村光一さんの『格闘家 アントニオ猪木』(金風舎)ですよね。書泉ではサイン本フェアを開催したり、トークショーもありますよね。ちなみに長井さんはこの本を読まれましたか?もしよろしければこの場をお借りして、感想をお聞きしたいです。

長井さん アントニオ猪木さんの強さを追求する信念が深く書かれています。力の強さだけではなく、異常なまでの心の強さをもった猪木さんだからこそ、皆が熱狂したのだと感じました。また、正直僕の感想よりも、男のロマンBlog/Live!主宰の宮﨑晃彦さんが書いた序文である[はじめに]をぜひ読んでいただきたいです。この本の魅力が詰まってます!!本文に入る前にもちろん読んで、読み終わった後にぜひ振り返ってほしいです。それだけの言葉が上手くまとめられています!!

──素晴らしいレビューですね!

長井さん あとは、もちろん原悦生さんの写真も素晴らしいです!!特にアントニオ猪木さんが技を繰り出す、掛けようとしている一瞬の鬼気迫る表情を逃さず撮っているのはスゴイとしか言えないです!! 

(第2回終了)